焼酎の造り方を工程ごとに詳しく紹介!

焼酎の造り方を工程ごとに詳しく紹介!
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焼酎の造り方を知ることで、焼酎の魅力をより深くたのしむことができます。焼酎は「蒸溜酒」に分類され、ウイスキーなどと同様の手法で造られています。焼酎の仕込みから蒸溜、貯蔵、仕上げまで、工程ごとに詳しくご紹介します。

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焼酎の造り方1:麹(こうじ)造りからもろみ造りへ

焼酎の造り方1:麹(こうじ)造りからもろみ造りへ

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焼酎を造るには、まず原料となる穀物が必要です。焼酎の原料となる穀物は、米や麦、サツマイモ、そばなどさまざまで、その原料によって「米焼酎」や「麦焼酎「芋焼酎」「そば焼酎」などと呼ばれるのです。

焼酎は、これら原料となる穀物を発酵させて造りますが、発酵させるためには「麹(こうじ)」が必要です。麹にはデンプンを糖に変える性質があり、そのはたらきによってアルコール発酵が行われるのです。
麹にもさまざまな種類がありますが、焼酎では米麹が一般的ですので、米を例にとって、麹を造る「製麹(せいぎく)」工程をみていきましょう。

まずは米を洗って水に漬け、水分を吸収させます。どれだけ水に漬けるかは、その日の気温や湿度などによって変わります。
必要なだけ水を吸ったら、米を蒸します。できた蒸し米を広げて35度くらいまで冷やし、「種麹(たねこうじ)」を振りかけて混ぜます。その後、「麹室(こうじむろ)」と呼ばれる高温多湿な環境で種麹を繁殖させると、米麹が完成します。

麹ができたら、次は「もろみ」造りです。まずは麹に水と焼酎酵母を加えて混合し、約7日間かけて酵母を増殖させます。こうして造られた「一次もろみ」に、米や芋などの原料と水を加えて混ぜ、約2週間かけて発酵させます。こうして、二度にわたる仕込みを経て、芳醇な「二次もろみ」が生まれるのです。

焼酎の造り方2:もろみから原酒を造る蒸溜工程

焼酎の造り方2:もろみから原酒を造る蒸溜工程

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発酵を終えた「もろみ」を蒸溜することで、焼酎の原酒が得られます。蒸溜とは、液体を熱することで蒸気となった成分を、冷やして再び液体にすること。沸点の違いを利用して、水とアルコールとに分離するわけです。
このため、焼酎は蒸溜しない日本酒よりもアルコール度数が高くなります。これは、同じく蒸溜酒であるウイスキーなども同様です。

焼酎の蒸溜方法には、常圧で行う「常圧蒸溜」と、蒸溜機を真空ポンプで減圧して行う「減圧蒸溜」の2種類があります。
常圧蒸溜は熟成による酒質の向上が大きいので、味、香りともに濃厚で長期熟成酒を造るのに適しています。一方、減圧蒸溜は揮発成分が少ないため酒質が軽く、クセのないすっきりとした味わいになります。

焼酎の造り方3:熟成を経て仕上げへ

焼酎の造り方3:熟成を経て仕上げへ

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蒸留されたばかりの原酒にはガス成分が含まれており、そのまま飲むと荒々しく感じるため、味や香りをたのしめるようになるには少し時間が必要です。
そのため、原酒は少なくとも半年以上は寝かされます。これを「熟成」といいます。

熟成させることで、ガス成分が揮散して荒さがとれるとともに、水がアルコール成分を包み込むことで、酒質が安定してきます。この熟成期間があってこそ、原酒にまろやかさが加わり、原酒のなかに潜んでいる香りが花開くのです。

熟成された焼酎は、酒質を一定にするため、タンクごとの原酒を混ぜ合わせます。その後、水を加えて商品ごとにめざすアルコール度数に調整します。
こうした「ブレンド(調合)」「割水」などを経て仕上げられた焼酎が瓶詰めされ、ようやく焼酎ファンのもとに届けられるのです。

焼酎の造り方がわかると、今まで以上に焼酎をたのしめるはず。焼酎を味わいながら、その造り手が込めた思いを想像してみましょう。

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