焼酎を数日寝かせるとおいしくなるって本当? 自宅でたのしむ前割り焼酎の魅力

焼酎を数日寝かせるとおいしくなるって本当? 自宅でたのしむ前割り焼酎の魅力
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「焼酎を寝かせる」というと、3年以上の長期熟成によって造られる古酒などを思い浮かべますが、じつは自宅で数日間寝かせるだけでもおいしさは格段にアップします。今回は、市販の焼酎を寝かせてたのしむ「前割り」の方法とその魅力を紹介します。

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焼酎を寝かせると味わいはどう変わる?

焼酎を寝かせると味わいはどう変わる?

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「焼酎を寝かせる」とは?

焼酎を熟成させるために、安定した温度を保てる場所に一定期間置くことを「焼酎を寝かせる」といいます。「寝かせる」という言葉自体は、焼酎やウイスキー、ブランデーなどの蒸溜酒に限らず、パンやチーズ、ヨーグルトのように発酵を必要とする食品や、ワイン、日本酒などにも使われます。

辞書によっては「長期間」と補足しているケースがあるため、年単位で同じ場所に据え置くイメージもありますが、パンの生地を一晩低温発酵させる場合も「寝かせる」と表現するように、期間は定義されていないようです。

焼酎は寝かせる期間によって香りや味わいが変化する

焼酎造りの工程では、蒸溜後の原酒をタンクや甕(かめ)、樽などの容器に貯蔵し、一定期間寝かせます。できたての原酒はアルコールの刺激臭が強く、荒削りな味わいですが、一定温度下で熟成させることでガス臭が収まり、酒質が安定します。

一般的な焼酎は、3〜6か月の初期熟成を経て出荷されます。さらに1年、2年と寝かせると原酒の香味成分が落ち着き、味わいもまろやかに。3年以上貯蔵熟成させたものは長期熟成酒、または古酒と呼ばれ、独特の香味を持つ味わい深い酒質に育っていきます。

焼酎の前割りというたのしみ方

焼酎の前割りというたのしみ方

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焼酎を寝かせる前割りってどんな飲み方?

じつは数日間寝かせるだけでおいしさが増すたのしみ方もあります。それが「前割り」です。

前割りはストレートやオン・ザ・ロック、水割り、お湯割りなどと並ぶ焼酎の割り方のひとつ。市販の焼酎に水を加え(割り水)、あらかじめ好みの濃度に希釈したものを数日から1週間ほど寝かせてから飲みます。ツウ好みの飲み方とされ、九州地方、とくに鹿児島では、古くから客人のもてなしや宴会の席で振る舞われてきたといわれています。

前割り焼酎の魅力

焼酎を前割りすると、飲む直前に加水した水割りやお湯割りと比べて、格段においしくなるといわれています。なぜなら、一定環境下で寝かせている間に、焼酎と水が分子レベルでなじむからです。

加水したての焼酎の中にはアルコールの分子と水の分子がバラバラに共存していますが、これを数日間寝かせることで、水分子がアルコール分子を包み込むようになじむのです。その結果、アルコールの刺激はほどよく緩和され、丸みのある味わいに変化します。

焼酎を自宅で寝かせる方法とおすすめの飲み方

焼酎を自宅で寝かせる方法とおすすめの飲み方

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焼酎を自宅で寝かせる方法

前割り焼酎の作り方はいたってシンプル。キレイに洗った焼酎の空きビンやペットボトルなどの容器に、焼酎と水を好みの割合で混ぜ合わせ、一晩から1週間ほど冷蔵庫などで寝かせるだけで完成します。容器は遮光ボトルがおすすめ。または陶器製の焼酎サーバーがあれば雰囲気もアップしますね。

アルコール度数25度の商品を使う場合、焼酎と水の割合は6対4程度が目安ですが、好みに合わせて調整してみてください。前割り焼酎を氷で冷やして飲みたいときは、やや濃いめに割っておく(加水する量を少なめにする)のがポイントです。また、水は水道水ではなく、軟水のミネラルウォーターを使用するとよいでしょう。

前割り焼酎の飲み方は自在

一手間かけて用意した前割り焼酎は、ストレートやロックでも十分に堪能できますが、おすすめはお燗です。ほのかに立ち上がる香りをたのしむなら30度前後の日向燗、米や麦、芋など焼酎の素材の香りとともに味わいたいなら40度前後のぬる燗で。

直火にかけられる伝統的な酒器「黒千代香(ぢょか)」でじわじわと温めるのが粋な飲み方ですが、前割り焼酎を入れた酒器を湯煎で温めてもおいしくいただけます。湯煎するときは、焼酎が熱くなりすぎないように、鍋などに入れた水が沸騰したら火を止めるのがポイント。それから徳利などを肩までつけて、2~3分程度温めてみましょう。

焼酎は前割りすることでおいしさが格段にアップしますが、寝かせる日数や水との割合、ロックや燗などの飲み方、焼酎の種類や銘柄によって、異なる個性をたのしめるのも魅力です。手間を惜しまず、いろいろ試してみて、お気に入りの味わいを見つけてください。

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