「壱岐焼酎」とは? 世界が認めた産地呼称焼酎の魅力とおすすめ銘柄

「壱岐焼酎」とは? 世界が認めた産地呼称焼酎の魅力とおすすめ銘柄
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壱岐焼酎は、ワインのボルドーやシャンパーニュ、ブランデーのコニャック、ウイスキーのスコッチやバーボンと同じく、世界貿易機関のトリプス協定によって地理的表示が認められた、日本屈指の麦焼酎ブランドです。今回は、壱岐焼酎のルーツや特徴とおすすめ銘柄について紹介します。

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壱岐焼酎(いきしょうちゅう)とは

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壱岐焼酎は、長崎県壱岐市に伝わる麦焼酎のブランド。麦焼酎というと、第二次焼酎ブームを牽引した大分麦焼酎を思い浮かべるかもしれませんが、大分麦焼酎は麦と麦麹を原料に造られる全量麦焼酎。これに対して壱岐焼酎は、麦と米麹から造られる麦焼酎です。

麦焼酎発祥の地

壱岐焼酎のふるさと、長崎県壱岐市は、福岡県と対馬市の中間に位置する玄界灘の離島、壱岐島(いきのしま)と23の属島からなる自然豊かな地域。九州でも有数の穀倉地帯で、豊富にとれる米と麦を生かした麦焼酎造りは、1970年代という大分麦焼酎の誕生よりもはるか昔から根づいていました。

焼酎の伝来ルートには諸説ありますが、蒸溜技術とともに世界へ伝播し発展した蒸溜酒の製法は、16世紀ごろ、中国を経由して、古代から海上交易の要衝として栄えた壱岐島にも伝わったそうです。麦を主原料とした焼酎造りは日本初だったことから、「麦焼酎発祥の地」といわれています。

世界が認めた産地呼称焼酎

壱岐焼酎は、ワインのボルドーやシャブリ、シャンパーニュ、ブランデーのコニャック、ウイスキーのスコッチやバーボンなど、世界の名だたるお酒と肩を並べる日本屈指の焼酎ブランドです。

これらの共通点は、世界貿易機関(WTO)のトリプス(TRIPS)協定によって地理的表示、つまり産地の表示が認められているということ。トリプス協定とは貿易に関する知的財産権の保護を定めた国際協定で、酒類のほかにもさまざまな商品やサービスが対象となっています。

国内の商標法で保護されている焼酎ブランドは数多くありますが、国際的な協定で地理的表示が認められた産地呼称焼酎は、2021年現在、長崎県壱岐市の壱岐焼酎、熊本県人吉球磨地方の球磨焼酎、沖縄県の琉球泡盛、鹿児島県の薩摩焼酎の4種のみ。

こうしたことからも、壱岐焼酎は世界に通用するブランドといえるでしょう。

壱岐焼酎の特徴

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壱岐焼酎は長崎県壱岐市の特産品ですが、この地で造られる麦焼酎のすべてが壱岐焼酎と名乗れるわけではありません。ラベルに「壱岐焼酎」と表示するには、以下のような厳しい条件を満たす必要があります。

<「壱岐焼酎」を名乗る条件>
◇麦と米麹、壱岐市の地下水を原料とする
◇麦と米麹を2:1の割合で配合
◇仕込みから瓶詰めまでの工程を壱岐市内で行う

こうした条件のなかでも壱岐焼酎の風味を特徴づけているのが、麦と米麹の割合です。古くから伝わる壱岐独自の製法により、麦の香りと米のやわらかな甘味が感じられる味わい深い焼酎に仕上がるのです。

壱岐焼酎の代表銘柄

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壱岐焼酎を造っている蔵元は、壱岐市内に7蔵あります。どの蔵も壱岐焼酎の名にふさわしい個性豊かな麦焼酎を造っています。ここでは、各蔵の代表的な銘柄を紹介します。

「天の川」

出典:天の川酒造株式会社サイト

明治期創業の天の川酒造が手がけ、芥川賞作家・開高健がこよなく愛した人気銘柄。大麦と米麹、自然の地下水で仕込んだもろみを常圧で蒸溜して原料由来の香味や旨味を存分に引き出し、2年の貯蔵・熟成で香味の調和を整えた1本です。

定番の「天の川」のほか、芳醇でふくらみのある味わいの「天の川 10年古酒」、2年貯蔵後、さらに樫樽で熟成させた「天の川 金印」、開高健から受けた手紙にインスパイアされた「極上の個性が薫る30年古酒 天の川 VERY OLD」もおすすめです。

製造元:天の川酒造株式会社
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「壱岐の島」「壱岐っ娘」

出典:壱岐の蔵酒造株式会社公式通販サイト

製造元:壱岐の蔵酒造株式会社
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壱岐市にはかつて約55の蔵元がありましたが、そのうちの6つが集まり創設したのが壱岐焼酎協業組合で、のちに壱岐の蔵酒造と社名を変更しました。

究極の食中酒をコンセプトに誕生した「壱岐の島」は、複数の蔵が受け継いできた技術の集大成ともいうべき代表銘柄。香ばしい麦の香りとほのかな米の甘味の絶妙なバランスと減圧蒸溜らしいすっきりとした味わいは、どんな料理にもマッチすると評判です。

世界的イラストレーター・長岡秀星氏が描いたラベルが目を引く「壱岐っ娘」は、フルーティーな味わいとやさしい口あたりが特徴の人気銘柄。すっきりと飲みやすい、クセになる1本です。

「むぎ焼酎 壱岐」

出典:玄海酒造株式会社サイト

造り手の玄海酒造は、壱岐島でもっとも標高の高い「岳の辻」のふもとで焼酎造りを営む明治33年(1900年)創業の老舗蔵。岳の辻を源とする湧き水を使用した代表銘柄「むぎ焼酎 壱岐」は、米らしい天然の甘味が生きたまろやかな味わいと、麦の軽快な香りが特徴の飲みやすい麦焼酎に仕上がっています。

麦の芳醇で華やかな香りをたのしみたい人には、「壱岐」をホワイトオーク樽で貯蔵・熟成させた「壱岐スーパーゴールド」もおすすめです。

製造元:玄海酒造株式会社
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「壱岐の華」

出典:株式会社壱岐の華サイト

明治33年(1900年)創業の壱岐の華の代表銘柄「壱岐の華」は、伝統の常圧蒸留で得た原酒に加水し、貯蔵・熟成させたこだわりの1本。芳醇な香りと和みのある旨味、なめらかな口当たりが人気の秘密です。

また、戦後まで壱岐焼酎の原料に使われていた「たばる麦」を地元農家とともに復活させ、昔ながらの製法で仕上げた「壱岐の華 昭和仕込」は、壱岐焼酎本来の豊かな麦香がたのしめる逸品です。

株式会社壱岐の華
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「猿川(サルコー)」

出典:株式会社猿川伊豆酒造サイト

手掛けるのは、1903年創業の猿川伊豆酒造。麹室かめ仕込みの醸法を伝承している独自の「猿川式蒸溜機」で仕上げた「猿川」は、米の甘味とやわらかな麦こがし香、やわらかであっさりとした口当たりが特徴。すっきりした飲みやすさのなかに麦と米の個性をしっかりと封じ込めた、初心者も焼酎通もたのしめる1本です。

製造元:株式会社猿川伊豆酒造
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「猿川」商品情報はこちら

「山乃守(やまのもり)」

出典:有限会社山の守酒造場サイト

明治32年(1899年)から続く山の守酒造場の代表銘柄。昔ながらのかめで仕込み、常圧蒸溜で仕上げた「山乃守」は、麦の香ばしさとほんのりスイートな香り、まろやかな飲み口が特徴。しっかり後味を感じさせる奥深さも魅力です。

製造元:有限会社山の守酒造場
公式サイトはこちら
(2022年2月現在 公式サイトがメンテナンス状態となっております)

「ちんぐ」

出典:重家酒造株式会社サイト

壱岐焼酎と壱岐日本酒を手掛ける重家酒造のこだわりは、壱岐産の原料。地元の麦と米から昔ながらの手法で個性を引き出し、複雑な旨味を持つ麦焼酎に仕上げています。

黒麹仕込みでインパクトある香味に仕上げた「ちんぐ黒麹仕込み」、白麹仕込みで果実のような甘味と複雑な旨味、すっきりとした後味を引き出した「ちんぐ白麹仕込み」、最新型の機械を用いてフルーティーでキレのある味わいに仕上げた「ちんぐ夏上々」からお気に入りをチョイスしてみてはいかがでしょう。

製造元:重家酒造株式会社
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壱岐焼酎と一口にいっても、飲みやすさにこだわったものから、麦や米の個性を存分に引き出したものまで、個性はさまざま。機会があったら飲み比べて、その魅力を堪能してくださいね。

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