「I.W.ハーパー」バーボンウイスキー初心者におすすめな、味わいの特徴とは?

「I.W.ハーパー」バーボンウイスキー初心者におすすめな、味わいの特徴とは?
出典 : キリンサイト

「I.W.ハーパー」は、主原料であるトウモロコシ由来の甘味を特徴とするバーボンウイスキーのなかでも、洗練された味わいで知られる銘柄です。都会的でスタイリッシュなイメージから、贈答品としても重宝される「I.W.ハーパー」。その歴史や特徴を紹介します。

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「I.W.ハーパー」が切り開いたバーボンウイスキーの新時代

「I.W.ハーパー」が切り開いたバーボンウイスキーの新時代

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「I.W.ハーパー」は高級バーボンウイスキーの草分け

「I.W.ハーパー」は、バーボンウイスキーの歴史を語るうえで、欠かすことのできない銘柄のひとつです。
まだ低級なバーボンが主体だった19世紀後半、上質なバーボンウイスキーをめざして生み出された「I.W.ハーパー」は、その洗練された味わいで多くの愛好家を生み、高級バーボンウイスキーという、それまでになかったカテゴリーを牽引する銘柄となったのです。

「I.W.ハーパー」を生み出したのは、ドイツ系移民の若者

「I.W.ハーパー」が誕生したのは1877年。日本の歴史で言えば明治初期にあたります。
その生みの親となったのは、弱冠19才でドイツからアメリカに移民したアイザック・ウォルフ・バーンハイム氏です。
さまざまな仕事を通じて顧客重視、品質重視の姿勢を培った彼は、上質なバーボン造りに注力。樽売りが主体だった当時、顧客が自分の目で品質を確認できる透明なボトル入りで販売することで、市場から確かな信頼を獲得していったのです。

「I.W.ハーパー」の銘柄は、生みの親とパートナーの名前から

「I.W.ハーパー」という銘柄のうち、「I.W.」が「アイザック・ウォルフ」のイニシャルであることは明白です。しかし、「ハーパー」の由来には諸説あります。
よく知られているのが、創業者の親友で、ダービー馬の馬主であったフランク・ハーパー氏の名を冠したという説。これとは別に、創業者の片腕として活躍した営業スタッフ、トーマス・ハーパー氏から採ったという説もあります。
いすれにしても、「バーンハイム」というドイツ人名よりも、「ハーパー」のほうがアメリカ人に馴染みがよいとの判断があったようで、その狙いどおり、「I.W.ハーパー」は高級バーボンウイスキーの代表銘柄として、現在もなお、多くのファンに愛されています。

「I.W.ハーパー」は洗練されたイメージから贈答品としても人気

「I.W.ハーパー」は洗練されたイメージから贈答品としても人気

出典:キリングループサイト

「I.W.ハーパー」の品質を示す5つのゴールドメダル

「I.W.ハーパー」は品質へのこだわりによって人気銘柄へと成長していきましたが、その品質が客観的に認められた大きなきっかけが、1885年にルイジアナ州ニューオーリンズで開催された万国博覧会において金賞に輝いたことです。
その後も、シカゴ万博(1893年)、パリ万博(1900年)、セントルイス万博(1904年)、サンフランシスコ万博(1915年)と、数々の博覧会で金賞を獲得したことから、ラベルに5つの金メダルをあしらうようになりました。

都会的でスタイリッシュな雰囲気で贈答品としても人気

「I.W.ハーパー」が人気を博した理由は、その品質に加えて、都会的でスタイリッシュなデザインも挙げられます。
たとえば、初期の広告に見られたシルクハットに燕尾服のシルエットは、優雅で上質な“おもてなし”を印象づけました(ちなみに、そのモデルとなったのは前出の営業スタッフ、トーマス・ハーパー氏と言われています)。
また、1949年からクリスタルボトル入りのギフト商品が発売されたことで、「I.W.ハーパー」は贈答品としても確かな地位を確立しました。

「I.W.ハーパー」のラインナップ

「I.W.ハーパー」のラインナップ

出典:キリンサイト

品質の証を商品名にした「I.W.ハーパー ゴールドメダル」

「I.W.ハーパー」のラベルに輝く5つの金メダルは、前述のように、5つの万博で獲得した金メダルを意味しています。その栄誉を商品名を冠した「I.W.ハーパー ゴールドメダル」は、開発当初からの持ち味である洗練された味わいをたのしめるスタンダード品。トウモロコシ由来の甘味に加えて、アルコール度数が40度とやや低めなため、誰もがたのしめる1本となっています。

長期熟成させたプレミアムバーボン「I.W.ハーパー12年」

「I.W.ハーパー」を12年熟成された希少な1本です。
バーボンウイスキーは、熟成すると雑味や渋味が出やすいため、熟成期間は3~4年が一般的。それ以上の長期熟成には高度な技術ときめ細かな管理が求めあれます。
そのため5~8年ものは「プレミアムバーボン」、6~10年ものは「スーパープレミアムバーボン」と呼ばれますが、12年熟成というのは「I.W.ハーパー」が世界初だとか。スーパープレミアムを超えた、レアな味わいを、一度はたのしんでみたいものです。

「I.W.ハーパー」のオススメのたのしみ方

「I.W.ハーパー」のオススメのたのしみ方

KULLAPONG PARCHERAT /Shutterstock.com

「I.W.ハーパー」の魅力はトウモロコシ86%が生み出す飲みやすさ

「I.W.ハーパー」を含むバーボンウイスキーは、アメリカの法律で「原料の半分以上をトウモロコシとすること」と定義されています。「I.W.ハーパー」では、トウモロコシの比率がなんと90%近く。それが、やわらかな甘味と心地よい口当たりを生み出しています。

「I.W.ハーパー」の定番、「ハーパーソーダ」をたのしもう!

「I.W.ハーパー」の雑味の少ない、スッキリとした味わいは、飲み方を選ばずたのしめますが、なかでも“定番”と言われているのが、「I.W.ハーパー」とソーダ(炭酸水)を1:4の比率で合わせた「ハーパーソーダ」。炭酸のさっぱりした刺激で、ほのかな甘味が引き立ちます。
オレンジやクランベリーを適量加えるなど、お好みのアレンジも試してみては?

「I.W.ハーパー」はバーボンウイスキー初心者にもオススメの、スッキリとした味わいが魅力。顧客重視、品質重視を貫いた創業者の信念に想いを馳せながら口にすれば、その魅力がより深く味わえそうです。

I.W.ハーパー公式サイトはこちら

監修者

工藤貴祥

工藤貴祥

(一社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ・エクセレンス、同SAKE DIPLOMA、きき酒師、焼酎きき酒師、日本ビール検定2級。29年以上お酒業界にいて、特に日本酒愛、ワイン愛、ビール愛が止まらない。もちろんこれ以外のお酒も(笑)。料理やアウトドア、古典酒場巡りが趣味。

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