長野の日本酒【夜明け前】明治の文豪の代表作を冠した品格ある酒【SAKE DIPLOMA監修】

長野の日本酒【夜明け前】明治の文豪の代表作を冠した品格ある酒【SAKE DIPLOMA監修】
出典 : Michiko Ishibashi / Shutterstock.com

「夜明け前」は信州を代表する人気銘柄のひとつ。全国新酒鑑評会で金賞を獲得することも多く、全国にファンのいる実力派です。明治の文豪・島崎藤村の代表作の名を冠する「夜明け前」と、その蔵元である小野酒造店を紹介します。

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「夜明け前」を本物たらしめる杜氏のこだわり

「夜明け前」を本物たらしめる杜氏のこだわり

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「夜明け前」を醸しているのは、幕末の元治元年(1864年)創業という老舗蔵、小野酒造店です。蔵を構えるのは、中仙道の宿場町として知られる小野地域。冬の冷え込みが厳しく、いわゆる“寒造り”には最適の環境で、150年以上にわたって酒造りを続けてきました。

「夜明け前」といえば明治の文豪・島崎藤村の代表作です。そのタイトルが銘柄に冠されたのは、小野宿が藤村にとってゆかりの地であったことと、小野酒造店の創業が幕末、すなわち日本の「夜明け前」であったことから。
昭和49年(1974年)、伝統の技法と新たな試みを融合して新たに生み出した酒に、この名をつけたいと考えた蔵元は、藤村の嫡男に依頼し、快諾を得ました。その際「この名を使うからには、命に代えても本物を追求する精神を忘れない」との約束を交わしたのだとか。

この約束のもと、本物の酒造りを追求する姿勢は今も脈々と受け継がれており、「夜明け前」の確かな品質を支えているのです。

「夜明け前」は上質な米の旨味と香りが感じられる酒

「夜明け前」は上質な米の旨味と香りが感じられる酒

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「夜明け前」は、全国新酒鑑評会において、何度も金賞を獲得するなど、その品質が高く評価されており、長野を代表する地酒として全国的な知名度をもっています。
そうした評価を支えている要素のひとつが、中央アルプス最北端に位置する霧訪山からの伏流水。この名水を仕込みに用いることで、雑味の少ない、やさしい味わいのお酒が生まれます。

加えて、米へのこだわりも重要なポイントです。長野県産の「美山錦」や兵庫産「山田錦」など、酒造好適米のなかでも産地と品種を選び抜いた米だけを用いて、昔ながらの技法でじっくり、ていねいに醸すことで、原料米の旨味と香りをしっかりと引き出しています。

水と米にこだわり、そのよさを引き出す酒造りこそ「夜明け前」の本質であり、明治の文豪との約束である「本物を追求する精神」の現れだといえるでしょう。

「夜明け前」の多彩なラインナップをたのしむ

「夜明け前」の多彩なラインナップをたのしむ

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「夜明け前」は、「純米大吟醸」や「純米吟醸」など特定名称酒を中心に、「ひやおろし」「生一本」といった季節限定酒など、幅広いラインナップがたのしめます。

なかでも、ハレの日の日本酒にふさわしい極上酒として人気を集めているのが「夜明け前 大吟醸」です。山田錦を40%まで磨いたこの日本酒は、口に含むと高貴な印象のある吟醸香が香ります。雑味はなく、キリリと締まった辛口でありながら独特の旨味が広がり、その風味豊かな味わいは日本酒好きの心をつかんで離しません。

同じく山田錦を55%まで磨いた「夜明け前 純米吟醸生一本」もスッキリとした飲み口で人気の一本。「火入れ」と「生酒」の2種類が用意されているので、飲みくらべてみるのもおすすめです。

「夜明け前」は、どれをとっても納得できる“本物”の日本酒ばかり。信州の地酒選びに迷ったときは、「夜明け前」のラインナップを手に取っておけば間違いないでしょう。

信州の地酒といえば、多くの人が「夜明け前」を思い浮かべるほど、その実力は広く知られています。まだ飲んだことがないという人は、ぜひ“長野の銘酒”と呼ばれる所以を確かめてください。

製造元:株式会社小野酒造店
公式サイトはこちら

監修者

工藤貴祥

工藤貴祥

(一社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ・エクセレンス、同SAKE DIPLOMA、きき酒師、焼酎きき酒師、日本ビール検定2級。29年以上お酒業界にいて、特に日本酒愛、ワイン愛、ビール愛が止まらない。もちろんこれ以外のお酒も(笑)。料理やアウトドア、古典酒場巡りが趣味。

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