ワインの「澱(おり)」とは?知って得する澱との付き合い方

ワインの「澱(おり)」とは?知って得する澱との付き合い方
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澱はワインの成分が結晶化したもの

ときどき、赤ワインのビンに黒っぽい浮遊物や、ビンの底に沈殿物があるのを見たことがある人もいるのではないでしょうか? これは「澱(おり)」と呼ばれるもので、赤ワインの成分であるタンニンやポリフェノール、たんぱく質などが熟成中に結合したものです。このため、熟成した年代物の赤ワインに多く見られます。白ワインにはこの澱はありませんが、成分である酒石酸が、カリウムなどのミネラル分と結合してできた結晶が見られることがあります。いずれもヴィンテージの良いワインほど見られるのが特徴です。

澱はワインと一緒に飲んでも大丈夫?

澱はブドウの成分ですので、ワインと一緒に飲んでも体に害はありません。しかし結晶化したものはやはり舌触りが良くありませんし、澱が混ざった状態でグラスに注ぐと美しいワインの色を損ねてしまいます。このため、できるだけ澱が入らないように飲むのがおすすめといえるでしょう。

ワインの澱を除いて飲むためには、いくつか方法があります。まず1つは、ワインを買ってきたら涼しい場所に立てて置いておき、1週間ほどしたらラベルを上にして寝かせる方法。これによりボトルの底の一部にだけ澱が溜まっている状態になり、澱を動かさずにコルクを抜くことができます。栓が空いたら、一か所に溜まった澱が舞わないよう静かにグラスに注ぎましょう。

澱はワインと一緒に飲んでも大丈夫?

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澱を取り除く「デキャンタージュ」

もう1つ。澱を取り除く方法に「デキャンタージュ」があります。「デキャンタージュ」とは、ワインの栓を抜いてから、デキャンタと呼ばれるガラス容器に移し替えること。デキャンタージュをする目的は、大きく分けて2つ。

まず1つは、まだ十分に熟成が進んでいない若いワインを空気に触れさせることで酸化させ、香りを開かせることです。まだ香りが十分に立っていないワインの状態を「閉じている」と表現しますが、この閉じたワインをデキャンタに移して空気に触れさせることでワインを目覚めさせ、味わいや香りを「開かせる」のです。

そして2つ目の目的が、これから飲むワインに、ワインボトルの中にあるを入れないこと。このため、デキャンタにそそぐときは澱が舞わないよう注意して、ゆっくり上澄みを注ぐのがポイント。こうすることで、より本来の味わいをたのしむことができます。

澱を取り除く「デキャンタージュ」

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